デザインをする時はいつも、クライアント、ユーザー、クリエイター、みんながハッピーなShare The Happinessを目指してる。
以前の記事で、お寿司にケチャップをかけるように、デザイナーが完成させたデザインに中途半端な知識で手を加えて台無しにする人がいると記事(→お寿司にケチャップをかける人)を書いたら、「言われるまで気づかなかった。例えがわかりやすく納得した。」と好評だったので、引き続きデザインのよくある失敗を説明する。
デザインは、料理に喩えるとわかりやすい。
例えば、無邪気な外国人が、「この金魚でお寿司を作って欲しい。」とプロの寿司職人に頼んだら、なんてもったいないことをと思うだろう。お寿司のことをわかったつもりでいる外国人には、悪気もなく魚だからお寿司にできると思ったのかもしれないが、金魚は観賞用の魚で、お寿司用の魚とは全く違うのだ。
外国人をクライアント、魚を写真、お寿司をポスター、寿司職人をデザイナーに置き換えて欲しい。
無邪鬼なクライアントが、「この写真でWebデザインを作って欲しい。」とプロのデザイナーに頼んだらどうなるか。
よくある”カメラが得意な”社員や友達が撮影した写真を持ち込んで、Webデザインを作るのは、金魚でお寿司を作れと頼むようなものだ。もしかしたら、”カメラが得意な”社員や友達は、家族と楽しむスナップ写真は本当に得意なのかもしれない。しかし、個人が趣味で鑑賞する写真と、仕事で使うWebデザインに必要な写真は似て非なるもの。焼き魚用のサンマではなく、お寿司用のマグロが必要であることを肝に銘じておきたい。
もっというと、Webサイト用の写真と、パンフレット用の写真とパッケージ用の写真は違う。魚で例えるなら、お刺身用、焼き魚用、煮込み用が、それぞれ違うようなものだ。お味噌汁用の魚のアラを持ち込んで、お寿司を作ってくれと言われても、お寿司はおいしくできない。毒抜きをしてないフグを食べた日には健康を脅かす危険すらある。節約しているつもりが損をする、安物買いの銭失いとなる。
プロのフォトグラファーは、目的に特化した魚を用意できるからプロなのだ。手作りのお寿司作りは家庭で楽しみ、仕事のお寿司はプロの料理人にまかせよう。かしこい経営者は知っている。餅は餅屋。
参考: