焦げた魚でお寿司を作れと頼む人:デザインを料理に例えて説明するシリーズ

前回の記事は、”カメラが得意な”社員や友達が撮影した写真を持ち込んで、Webデザインを作って欲しいと頼むのは、節約しているつもりが損をする、安物買いの銭失いとなる。餅は餅屋と伝えた。

この話には続きがある。

料理やデザインは、やり方を間違えると、本人は手伝っているつもりが、手伝うどころか、何もしないよりマイナスで足を引っ張ることになる。

どんなに優秀なシェフも、素人が作ったまずい料理に手を加えておいしくするのは、ゼロからおいしい料理を作るよりはるかに難しく、さらにどれだけ時間と労力をかけても、最初からプロが作るよりおいしくならない。

焦げた魚でお寿司を作れと頼む人がいるけど、焦げたものは生には戻すことは不可能なのだ。

茹で過ぎたパスタのように、ピントのブレた写真。

焼き過ぎたステーキのように、露出オーバーの写真。

塩を入れ過ぎたスープのように、色調ミスの写真。

氷を入れ過ぎたジュースのように、構図のずれた写真。

せっかくの食材(被写体)も、素人が調理する(撮影)すると、料理(デザイン)は、台無しになってしまう。

写真で例えたが、これがロゴでもコピーライティングでもイラストでも同じだ。

さらに、料理もデザインも調和が大切で、最高級のお寿司に最高級のケチャップをかけても、それぞれの魅力は殺し合い、台無しになってしまう。写真とロゴとコピーライティングとすべての調和が重なった時、最高のデザインが生まれる。

クライアントが頑張る必要があるのは、料理ではなく、プロの料理人を探すこと。あとは、好みやアレルギーを聞かれたら答えて、おまかせが一番おいしい。旬の素材を選んで、今の気分にぴったりな最高の料理をしてくれるはずだ。

参考:

金魚でお寿司を作れと頼む人

お寿司にケチャップをかける人

お寿司しにケチャップをかける人2

高級食材と料理人