ネーミング23 Tips

ネーミング(ブランディング)とは

会社やサービスの名前をつけるネーミング(命名)は、英語ではしばしばBranding(ブランディング)と呼ぶ。これから何万回と書いたり呼ばれたりする名前に時間とお金を投資する価値はある。

かつて瀕死のAppleに復帰したスティーブ・ジョブズは、起死回生のiMacに危うく”MacMan”という恥ずかしい名前をつけるところだった。もしiMacの名付け親のケン・シーガルがいなければ、iPodもiPhoneも誕生してなかったかもしれない。

U23の名前の由来

名前はその会社の物語である。U23(ゆーつーすりー)の名前の由来は、創業者内海賢祐(うつみけんすけ)の苗字の言葉遊びで、違う物事の見方をする人だけが、U(英語のアルファベッドの「ウ」)・2(英語の数字の「ツー」)・3(日本語の数字の「み」)と読める。23歳の時にチャレンジを始めた歴史、誕生日と創設日が23日のトリビア、U2さん(ユーツーサン)と呼び捨てでも敬称をつけた配慮、U兄さん(ユーニーサン)とかけたり、英語圏の人には「ユー・トゥェンティスリー」、日本人なら「ユー・ニー・サン」、スペイン語は「ウノ・ドス・トレス」、フランス語は「アンドゥトロワ」といろんな呼び方をできるグローバルネーミングで、23個ぐらい隠された意味がある。秘密を知ると誰かに話したくなる。そして文字数もミニマルとデザインも計算し尽くされている。

ネーミング・セオリー編

U23が創業以来研究するネーミングのポイントをまとめた。なお、以下を満たしていないのに有名な会社やサービス名は、莫大な広告宣伝費をかけブランディングしてきた結果で、これからの小さな会社は1%でも可能性を高める企業努力をして損はない。

1. Simplicity シンプル

”シンプルさは究極の洗練。by レオナルド・ダヴィンチ”。”KISSの原則(Keep It Simple Stupid(シンプルにしておけ、このまぬけ)”。シンプルな名前はタイピングの時間もスペースも短縮でき、タイピングミスのリスクも減らせる。ロゴデザインする時も美しくデザインしやすい。立体の看板や刺繍などもしやすい。

例)

Minnesota Mining Manufacturingという長い名前だったがリブランディングして、3Mというシンプルを極めたネーミングが誕生した。

2. Unique ユニーク

名前はオリジナルで、特色、独自性があるか。他の名前と被らず検索して上位表示されやすいか。googleだけでなくSNSの検索結果も調べよう。

例)

U23 inc.は世界中を探してもない。

3. Short 短い

名前は短ければ短い方がよい。同じ幅の広告スペースがある時、短い名前の方がより大きくロゴ表示でき、より多く書ける。画面の小さなモバイルではなおさら。口頭で自己紹介する時も名前が短い方が本題を長く話せる。

例)

並べると長い名前がスペースを奪うことは一目瞭然。

U23 inc.

Future inc.

Share The Happiness inc.

4. Memorable 記憶に残る

名前は覚えやすいか。競合と被らないか。数日たった後でも思い出せるか。

例)

Appleは誰でも知っているかじられたリンゴのロゴと覚えやすく、Apple Recordと争ってでも手に入れる価値はあった。

5. Rhythmical リズミカル

名前はリズミカルか。1音節または2音節がベター。

例)

Google, anan

6. Pronunciation 発音

外国語の場合、名前は発音しやすいか。グローバル企業なら、外国人も発音しやすいか、ネガティブな名前に聞き間違えられないか。

ex.

カルピス(Calpis)は、英語でcow piss(牛の小便)に聞こえる。

globeは、日本人がカタカナでグローブと発音しても通じる。

7. Clear 明瞭

名前は明瞭であるか。はっきりと読みやすいか。読み方が紛らわしくないか。

例)

トヨタ自動車は、読み間違いもなく、トヨタさんの車と明瞭。

8. Spelling つづり

スペルミスをしやすい単語は避ける。ABC順、50音順で上位に表示される「A」か「あ」から始まると理想。上位表示を考えるとA inc.は最高のネーミング。

例)

accommodation, available, achieveは、子音の連続のミス、L/Rの混同、ie/eiの混同するミスが多いので避けた方がベター。

U23 inc.は世界中を探してもない。

9. Concept コンセプト

ロゴにコンセプトやストーリーはあるか。メッセージが伝わるか。

例)Amazonのロゴは、AからZまでなんでも揃い顧客の笑顔を意味している。

10. Durability 耐久性

名前は年月がたっても恥ずかしくないか、飽きないか。移転、事業転換、事業継承した時に困らないか。

例)5Gエージェントのような名前は、6Gが出たら時代遅れになる。

11. Target ターゲット

その名前を呼ぶのは誰か考慮しているか。性別、年齢層、職業、国籍、収入等、ターゲットにより適した名前は異なる。

例)Pytohnはエンジニアならプログラミング言語、動物愛好家ならニシキヘビ、コメディ好きならモンティ・パイソンをイメージし、属性により同じ単語でも違う意味を持つ。

ネーミングアイデア編

12 単語を組み合わせる

複数の言葉を合体させて造語を作る方法。

例)

Wikipediaは、 Wiki(ウィキ)+ encyclopedia(百科事典)

Sonyは、sonus(soundやsonicの語源となったラテン語)+ sonny(坊や)の造語。

13 頭文字をとる(アクロニム造語)

英語の頭文字から単語を作る方法。

例)

P&Gの正式名称はThe Procter & Gamble Company

Yahooは、Yet Another Hierarchical Officious Oracle (さらにもうひとつの階層的でお節介な神託)

14 省略・簡略化する

長い単語を短くする方法。

例)Macは、Macintoshの略。

15 言葉遊び(アナグラム)

言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替え別の意味にさせる方法。

例)

ORUMOK(オルモックレコーズ)は、KOMURO(コムロ=小室)を逆さ読みしたもの。

Junkudoは、創業者の父親の工藤淳の名前に由来する。

16 綴りを変える

文字の置き換え・同じ読みや発音で違う意味の文字やつづりにする方法。

例)

Canon(キヤノン)の名前の由来は、Kwannon(観音)。

Krispy Kreme Doughnuts (クリスピードーナッツ)はCrispy CremeのCをKに置き換えた。

17 類義語を使う

同じ意味で違う表現の言葉から名前を作る方法。

ex.

上島珈琲はUCC CaffeでもUCCコーヒーでもなくあえて漢字表記。

flickr(フリッカー)は、fliker(点滅)から。

18. 言葉を再定義する

既存の言葉に新しい意味を持たせる。

Twitterは、創業者たちが名前を決めるときに、どのようなことが起きるかをサービス名にしようと考え、携帯電話がtwitch(震える)と言う意味を辞書で調べていて、tweet(鳥のさえずり)を見つけて生まれた。

19. ロゴから考える

ロゴをデザインしてから、ロゴのイメージに合う名前を考える。

20 ドメインから選ぶ

ドメインが取れるか考える。取得できない時も苦肉の策でお洒落な名前が生まれる例もある。

例)

deliciousという単語を、.us(米国のドメイン)を使い、delicio.usとした。ちなみに元々はdel.icio.usだった。

21 ダブルミーニング

2つ以上の解釈ができる意味づけを使う方法。

例)

Utopiaはどこにもない場所を意味し、Eutopiaと綴ればよい場所という意味を持つ。

TOTOはTokyo Tokiの略と東陶。

22 グローバルネーミング

「A(Anglo)」英語圏」「G(Greco)古代ギリシャ語」「R(Roman)ラテン語」を利用すると欧米で記憶されやすい。今後は、中国語も考慮するとよいかもしれない。

例)

Anima Sana in Corpore Sano(健全な肉体に健全な精神)とラテン語の頭文字。

Nike(ナイキ)はギリシャ語に由来する。

23 好きな名前を選ぶ

ここまでいろんなセオリーやテクニックを紹介してきが、今は分からなくても様々な問題に直面した時にセオリーが正しかったことに気づくだろう。それを踏まえた上で、愛せなければクオリティの高いネーミングも力が半減する。適当な名前でもそれカバーするために23倍の時間とお金を投資することができるなら自分が好きな名前をつけてもよい。

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参考リンク

ロゴデザインの参考にどうぞ。

ロゴデザイン23原則 >