デザイン経営とは

デザイン経営といっても定義は曖昧なもので、唱える人によって違うので、U23の考えるデザイン経営、デザイナーにについてまとめた。

デザイン経営とは

デザイン経営とは、デザインを経営戦略の軸に据えたマネジメントのこと。

デザイン思考と呼ばれる、デザイナーの視点や開発の仕方を経営に応用し、課題の発見、問題の解決、ブランドの構築、イノベーションを起こし、企業の競争力を高める。

デザイン経営の特徴は、経営チームにデザイン責任者がいて、経営戦略の最上流からデザインについて考えることです。デザイナーのように物事の本質を分析し、言葉を絵にしてアイデアや問題を可視化し、ユーザー起点で解決に取り組みむ。

デザイン経営とは、言い換えると、最上流からデザインをすることだ。

デザイン経営の代表といえばAppleだ。デザイナー主導のAppleは、デザインが先にあり、それを作るために必要なハードやソフトをエンジニアと試行錯誤を繰り返しながら開発する。そのため内部から細部まで洗練されたプロダクトやサービスを提供をすることが可能になり、その結果、熱狂的なファンが生まれる。

一方、営業出身の経営者の企業は、粗悪なプロダクトやサービスでも営業力で売ってしまうので、デザインが疎かになる。エンジニアが作った無骨ものに、最後にデザイナーが表面だけお化粧する。汚い肌や肥満は衣裳やお化粧で誤魔化しきれないように、この段階ではデザインにできることは限られている。

日本でデザイナーの役割は、お化粧することと扱われがちだ。U23の考えるデザイナーの役割は、見えてないものを可視化すること、デザインで問題の解決をすること、イノベーションを起こすことだ。

日本は世界で高く評価される優れた日本人デザイナーがいるにも関わらず、日本国内ではデザイナーは下流でお化粧をさせられるだけで、デザイン経営後進国と認めざるを得ない。

デザイン経営を導入する企業

デザイン経営を導入する企業の代表は、AppleやAirbnbがある。他にも、経営陣にCDO (Chief Design Officer/最高デザイン責任者)やCCO (Chief Creative Office/最高クリエイティブ責任者)を配置する企業やデザイナー出身の経営者がデザイン経営を実践し様々な業界で革新を起こしている。その他の企業も追いかけるようにデザイン経営の導入している。

CDOのいる企業の例

  • 3M
  • IBM
  • Philips
  • Paypal
  • Pepsi
  • Electrolux
  • DBS銀行

デザインを背景にもつ経営者の例

  • Brian Chesky – Airbnb
  • James Dyson – Dyson
  • Jack Dorsey – Twitter, Square
  • Chad Hurley – YouTube
  • Stewart Butterfield – Slack
  • Evan Sharp – Pinterest
  • David Karp – Tumblr
  • Charles Adler – Kickstarter

デザイン経営の研究データ

欧米では、デザインに投資する企業について研究が行われており、データを紹介する。

British Design Councilは、£1のデザイン投資に対して、営業利益は4倍の£4、売上は20倍の£20、輸出額は5倍の£5増加を得られると発表しました。

また、デザインを重視する企業の株価は、S&P500 全体と比較して過去10年間で゙゙゙2.1倍成⻑したことを明らかにしました。

デザイン賞によく登場企業(166社)の 株価は、市場平均(FTSE index)と比較し、10年間で約2倍成⻑している。

出典:経済産業省・特許庁『「デザイン経営」宣言』

デザイン経営のメリット

価格競争を回避できる

ブランディングができていないと競合企業と価格競争になりがち。ブランド力をある企業は、適正価格で販売できまり。安売りしないことで、売上増加、利益率の向上につながる。技術が発展し各企業の品質が同じになるとデザインがより重要になる。


営業費用を削減できる

洗練されたデザインでブランドが確立されたプロダクトやサービスは、営業しなくても新規の問い合わせがあり、紹介率やリピーター率も高いのが特徴だ。


優良ユーザーを獲得できる

強力なブランドとイノベーションで企業が顧客を選べる環境を作ると、クレーマーを減らし、優良顧客を増やすことができる。概してクレーマーは低料金のマーケットに多く、デザインにお金を払えるユーザーは優良である確率は高い。


採用費用を削減できる

求職者がここで働きたいと思うブランド力やイノベーション力のある企業は、求人の人気も高いです。会社が求める人物像を明確に発信することで会社と人材のミスマッチを防ぐ。


社員満足度をアップできる

デザインされたツールを使い、憧れのブランドの企業で働く社員のモチベーションは高く、社員満足度は高いです。離職率も低くなる。


社員が洗練される

洗練せれたデザインのロゴが刻まれた名刺を持ち空間で働く人は、洗練された職場にふさわしい人材になろうとします。これによりブランドは磨かれ、イノベーションも起こしやすい環境が生まれる。

デザイン経営のデメリット

営業力で物事を解決しデザインなんかどうでもよいと考える人たちにとって、デザインを無視できなくなり、デザイナーは邪魔な存在になる。

デザイン経営についてもっと詳しく知りたい人、導入したい企業は、U23へご相談ください。